この日は、現場でお施主さんと打合せ。
リビング・ダイニングの構成を
1分の1のスケールで確認していきました。
1つ前の回でも書きましたが、この家の最大の特徴と良さは、
背後に多摩丘陵が大パノラマで広がっていること。
2Fにあるリビング・ダイニングは、
この家の中心であり、眺望をもっとも取り込める空間となるため
そこに来る造作家具は収納容量を求められる一方、
とてもバランスが重要になってきます。
お施主さんとスケッチや図面のやりとりを重ねて
この日、実際に現場で確認するところまで来て
ようやくひとつのかたちにたどり着いた感じがありました。
実は、王禅寺の住宅のお施主さんは、建築関係の仕事をされています。
良いと思う空間のイメージがしっかり見えていて
かつ、私とは違う志向であったり、考え方を持っていらっしゃる方です。
でも不思議ですがそれだけに、
自分だけではたどりつかない答えに多々気づかされ、
一緒につくっていっている実感は、とてもあります。
ダイニングの照明。
このときは、ウォールランプの実際に取り付ける位置と大きさを確認しました。
こんなリアルな打合せができるのも、現場の協力あってこそ、です。
浴室の壁の仕上げに使う
FRP(エフ・アール・ピー)。
床のタイルの候補にあてて、
どのタイルがふさわしい相手か決めていきます。
最後、これだね!と決まったのは
お施主さんが自分でサンプルを取り寄せた御影石(みかげいし)。
FRPも素材をあえて見せていく仕上げ方なので、
本物の石がいちばんしっくり来たのも
なんとなく納得がいきます。