荻窪の住宅 塗装工事が進んでいます。
塗装されたことによってトップライトからの光もきれいに陰影が出て良い感じです。
建具の吊り込みも始まりました。今回は主にナラの突板を使用しています。
今回お施主さんが猫を飼われていて、今住んでいる家でも人間と同じトイレの中に猫用のトイレも置かれているとのことで、
今回猫ちゃん用のドアを扉の下の方に設けました。
裏から見るとこのようになっていて、上に軸が入っていて押すとパタパタと開くようになっています。
メンテナンスも出来るように取り外し出来るようにとしたのですが、
人間の手でなければ外れないようにという事もあり、これがなかなか難しかったのですが、
工務店さんの施工力も助けとなり、どうにか形になりました。
あとは猫ちゃんが実際に使ってくれるかどうか次第。
そして茶室の方も進んでいます。
今回天井には網代天井と駆込天井部は杉板の竿縁天井としています。
床柱は北山杉の磨き丸柱。
こちらはお施主さんと新木場にある銘木店へ行って選んできたものになります。
茶室の施工は非常に難しく、大工さんの腕の見せ所でもあります。
この床柱に差し込まれている掛け落としと呼ばれる横に流れる材や、
床柱下部の床框とぶつかる部分など、木を刻んで隙間なくピッタリと合わせる技術が必要になります。
床柱の裏には木が乾燥で割れるのを防ぐために、
予め目立たないところに割りを入れておく背割りと呼ばれるものが入っています。
こちらは水屋側を見た立面。右上に格子の欄間を設けています。
反対の水屋側から見るとこのように茶室の網代天井が薄っすらと見え、茶室からの光が水屋にも届きます。
今回、エアコンを水屋側に設置しているため、この欄間が空調を茶室側にも届ける役割も果たしています。
こちらは水屋に入る引き戸。こちらも格子戸としています。
水屋の中の洗い場。水屋は茶事の際に亭主が準備をするための部屋です。
水屋にも難しい納まりがたくさんあり、その一つがこの銅板落としと呼ばれる流し部分。
こちらは銅板を職人さんが手で折り曲げて作る完全特注品です。
銅板落としは今日本では既製品はないそうで、全て特注品での対応となるそうです。
この銅板の上に3方を腰板が乗り、更に竹のすのこが縁にかかるように乗ります。
細かい折り曲げを寸法通りに行わなければならない精度が求められる仕事です。
この日は外部の足場撤去前の最終確認とのことで、足場の上まで上り外周部を確認しました。
今回の板金屋さんがとても丁寧で、どこを見ても言うことなしの状態でした。
笠木の隅部もビッタリと決まっています。
庇上の板金にもよれなど一切ありません。端部の納めも非常に綺麗です。
外壁・RC打ち放しもとてもきれいで問題ありませんでした。
足場のある今しか撮れないアングルから。バルコニーからLDK側を見ています。
排水の塩ビ管のコーキングまできれいです。
ここまできれいな現場は珍しいので、嬉しくなってしまいます。
いつもきれいに施工してくださる職人さんたちと、それを取り仕切ってくださっている監督さんには感謝しかありません。